“樹木・船の帆柱・舵”という意味を持つアルボースは、“未曾有の長寿社会”を明るく住みやすいものに創りあげていく責務の一端を担っています。

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〒372-0006 群馬県伊勢崎市太田町427-3

身体拘束廃止

アルボースにおける抑制廃止の取組み

今では考えられないことかもしれませんが、10年ほどさかのぼった介護の現場では、利用者の方々の安全を守る為に 「手足を縛る」「立ち上がれないようにする」などの行為は当たり前のように行われていました。
介護の人手が少ない中、安全第一で「怪我をしないことが最優先」と考えられていました。
そんな時代に、私たちは、「本当にこれでいいのか」「万が一の怪我より、縛られることによる尊厳無視の方がその方にとってずっと辛いことではないか」と 考えるようになりました。

平成12年、施設全体で身体拘束廃止に真正面から取組みを開始し、それ以来、身体拘束ゼロを貫き通してまいりました。

アルボースでの取組みの流れ

1. 平成12年3月中 身体拘束廃止の取組み開始。翌日骨折により後退

2. 平成12年11月 身体拘束廃止の取組みに再チャレンジ

●勉強会および家族会
●ケアカンファレンスの実施
●安全管理委員会の組織化

3. 平成13年1月 身体拘束完全廃止

現在まで抑制はなく、ないことが当たり前となっている

4. 平成13年12月より群馬抑制廃止研究会を発足 事務局として活動

群馬抑制廃止研究会

5. 平成16年4月より群馬県より「抑制廃止相談窓口」を委託される

身体拘束廃止の原点

“利用者を大切に思う心”

認知症・障害を抱えた全ての方々に対して、身体拘束を行わないケアを確立していくこと、 その原点には、“利用者を大切に思う心”です。
身体拘束を行わないで安心できるケアを提供することを常に考えていきたい。
それは、身体拘束は利用者にとって制限のかかる苦痛を伴うことだからです。

群馬抑制廃止研究会事務局

当施設は、この身体拘束廃止の活動を地域に広げていくため、 群馬抑制廃止研究会の事務局を務めております。
県内の介護施設や病院などが団体会員として、また、多くの方が個人会員として入会してくださっています。
現在、会員施設での身体拘束はほとんど認められなくなりました。

平成20年度群馬県主催「身体拘束廃止に関するシンポジウム」は群馬抑制廃止研究会が業務委託をうけ、開催されました。
ご参加くださった県内の看護介護関係者約300名の皆様とともに白熱した討論を行うことができました。
ただ、残念なことに、ごく一部では未だに身体拘束を行っている施設もあるようです。
一緒に力を合わせて身体拘束をなくし、質の高いケアが提供されるようこの活動を続けていきたいと思っております。

取組みにあたって

身体拘束廃止に取り組むにあたって、様々な療法を取り入れていくことは効果的だと考えています。
当施設では、音楽療法・回想法・ユニットケア・アートセラピーなどを施行して利用者の方々の心身の健康維持のサポートを行っております。 身体拘束廃止に関する定期的な勉強会や家族会を開催したり、多職種参加のケアカンファレンスを実施して計画を立て質の高いケアを提供できるよう心がけています。
身体拘束廃止は、そのこと自体が最終目的ではありません。ケアの質の向上を目指す過程の一つに過ぎません。 私たちは、3つの約束「丁寧語で話す・同じ目線で話す・一声かけてから行動する」を実行しています。 利用者の方々が笑顔で幸せにお過ごしになれますよう、私たちは日々努力を重ねていく所存です。