令和3年度 美原記念病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - - 19 26 89 126 235 470 351 100
【項目の説明】
年齢階級別退院患者数とは、当該期間に退院した患者の入院時年齢を10歳刻みで区分した患者数です。

【この項目に関する当院の特徴】
当院は脳・神経疾患専門病院として、群馬県の県央や東毛だけでなく埼玉県北部地域からの脳卒中救急患者を多く受け入れ、脳卒中の拠点病院として役割を担っています。脳卒中の発症年齢は、最も患者数の多い脳梗塞の高齢化が目立ちます。高齢になるほど心房細動を高率に合併するため塞栓症の患者数が増加します。脳出血は、60歳代後半、くも膜下出血は、50歳代後半に発症する患者さんが多いと言われています。当院においてもほぼ同様の傾向を示しています。特に当院においては、70歳以上の急性期脳梗塞患者さんに対し、血栓溶解療法だけでなく、脳血管内手術による経皮的脳血栓回収術を実施しています。前年と大きな変化はありませんでした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(発症3日目以内、かつ、意識覚醒している) 手術なし 脳保護剤(エダラボン)投与、リハビリ等あり  てんかん、頻脈性不整脈、肺炎、尿路感染症等の合併症なし 発症前自立又は軽度の障害あり 63 26.29 15.63 3.17 70.67
010230xx99x00x てんかん 手術なし 33 18.09 7.22 3.03 62.3
010060x2990201 脳梗塞(発症3日目以内、かつ、意識覚醒している) 手術なし リハビリ等あり てんかん、頻脈性不整脈、肺炎、尿路感染症等の合併症なし 発症前自立又は軽度の障害あり 32 22.75 15.57 0.00 70.47
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤  手術なし 脳血管撮影あり 18 10.61 2.99 0.00 67.72
010060x2990411 脳梗塞(発症3日目以内、かつ、意識覚醒している)  手術なし 脳保護剤(エダラボン)投与、リハビリ等あり てんかん、頻脈性不整脈等の合併症あり 発症前自立又は軽度の障害あり 16 17.06 17.48 0.00 77.56
【項目の説明】
脳神経内科に入院する原因となった疾患の中で多い患者数上位5つを挙げています。
全国の平均在院日数は、厚生労働省の「診断群分類別患者数等に資するDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数(令和3年度)」から引用しています。

【この項目に関する当院の特徴】
当院脳神経内科に入院する患者さんは、多くが脳血栓症などの虚血性脳血管障害です。
虚血性脳血管障害の治療において大切なのは、早期発見、早期治療に加え、医師と看護師のみならず多職種が協力して治療にあたることです。当院ではリハビリテーションスタッフが多く配置されています。管理栄養士も病棟に在籍しております。入院後早期から機能回復訓練を開始し、経口で摂食できています。また医療相談員が介入し、自宅退院に向けて援助しています。このようなチーム医療によって在院日数が全国平均と比較して極めて短い在院日数になっており、在宅復帰率は9割超です。
表では平均在院日数が長く表されていますが、これは回復期リハビリテーション病棟での在院日数も含まれたためです。急性期病棟のみの在院日数は上段からそれぞれ11.29日、7.06日、9.25日、4.56日、3.69日です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤  手術なし 脳血管撮影あり 90 9.08 2.99 0.00 64.77
010060x2990401 脳梗塞(発症3日以内、かつ、意識覚醒している) 手術なし 脳保護剤(エダラボン)投与、リハビリ等あり  てんかん、頻脈性不整脈、肺炎、尿路感染症等の合併症なし 発症前自立又は軽度の障害あり 75 24.12 15.63 1.33 71.25
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(硬膜下血腫等)  手術あり(穿孔洗浄術等) てんかん、肺炎等の合併症なし 66 13.23 9.78 3.03 76.06
010040x099000x 脳出血、脳動静脈奇形等(意識覚醒している) 手術なし  肺炎等の合併症なし 51 44.08 18.90 5.88 70.73
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 手術あり(脳血管内手術) 41 8.95 9.35 0.00 60.83
【項目の説明】
脳神経外科に入院する原因となった疾患の中で多い患者数上位5つを挙げています。
全国の平均在院日数は、厚生労働省の「診断群分類別患者数等に資するDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数(令和3年度)」から引用しています。

【この項目に関する当院の特徴】
脳神経外科で多い症例は、くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤の患者さんで、地域の医療機関から多くの症例をご紹介していただいています。この理由は開頭術ばかりでなく、コイルやステント、フローダイバーターを用いた脳血管内手術が行えるからです。
超急性期の脳梗塞に関しては、内科的治療(血栓溶解療法)で効果が十分でなかった患者さんに対して、経皮的脳血栓回収術を行うことにより障害を最小限にとどめることができます。
表では平均在院日数が長く表されていますが、これは回復期リハビリテーション病棟での在院日数も含まれております。急性期病棟のみの在院日数は上段からそれぞれ3.04日、11.53日、7.38日、12.67日、7.27日です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 手術なし 10 35.40 17.35 10.00 80.80
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし - - 20.57 - -
130090xx97x0xx 貧血(その他) 手術あり(輸血等) - - 10.38 - -
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢不全なし) インスリン製剤等なし - - 11.15 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 10.66 - -
【項目の説明】
循環器内科に入院する原因となった疾患の中で多い患者数上位5つを挙げています。
全国の平均在院日数は、厚生労働省の「診断群分類別患者数等に資するDPC対象病院における診断群分類別平均在院日数(令和3年度)」から引用しています。

【この項目に関する当院の特徴】
高齢化社会を迎えて心不全の患者さんが多くなっております。当院は脳神経疾患専門病院ですが、患者さんが心不全の危険因子である高血圧や糖尿病、虚血性心疾患を合併している場合も多く見られます。当院でも心不全の患者さんは年々増加しており、循環器を専門とする医師が治療にあたっています。表では平均在院日数が長く表されていますが、これは回復期リハビリテーション病棟での在院日数も含まれております。急性期病棟のみの在院日数は12.20日です。次に多かったのは誤嚥性肺炎でした。脳血管障害で嚥下障害を来たしている患者さんが、自宅や施設で誤嚥性肺炎を発症し入院する場合が多く見られます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - -
大腸癌 - - - - - - - -
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - - -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【項目の説明】
胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌が5大癌として扱われ、これらの治療を目的として入院してきた患者数を示しています。

【この項目に関する当院の特徴】
当院は脳・神経疾患専門病院なので、上記癌の治療目的で入院する患者さんはほとんどおりません。もしも入院中に癌が疑われた場合は、必要に応じて専門医療機関に紹介しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
【項目の説明】
肺炎の治療を目的として入院してきた患者さんの数を示します。入院してから発症した肺炎はこの数に含まれません。

【この項目に関する当院の特徴】
当院へ入院する市中肺炎は、在宅療養中の脳血管障害の患者さんが肺炎を発症し、入院される場合が多いです。原疾患の性格上誤嚥性肺炎の占める割合が多くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 457 34.23 75.40 6.76
その他 61 30.67 75.11 0.39
【項目の説明】
脳梗塞の患者を対象とし、発症から来院までの日数で「3日以内」または「その他」に区分し、症例数、平均在院日数、平均年齢などを示した。

【この項目に関する当院の特徴】
当院では発症3日以内の急性期脳梗塞患者さんが多くを占めます。その中でも、超急性期の患者さんに対しては、血栓溶解療法(rt-PA静注療法)、血栓回収療法を含む血行再建のための血管内治療など先進的医療を行っております。
脳梗塞は早期に診断・治療開始することが重要であり、多職種(看護師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、管理栄養士)との連携をとっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 79 2.81 16.33 5.06 76.87
K1781 脳血管内手術 47 0.98 30.13 2.13 62.87
K178-4 経皮的脳血栓回収術 38 0.61 54.61 23.68 78.74
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 21 8.43 20.81 0.00 64.52
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 17 0.67 38.61 5.56 66.78
【項目の説明】
当院で手術をした患者さんの中で、手術件数の多いもの上位5つを挙げています。

【この項目に関する当院の特徴】
年間手術件数は、前年に比べ約350件に増加しました。
手術適応のある患者さんに対して、外科的治療を行っており、最も多い手術は、慢性硬膜下血腫に対する穿頭ドレナージ術です。
くも膜下出血や未破裂脳動脈瘤の患者さんに対しては、脳血管内手術(コイル塞栓術やフローダイバーター留置術)と脳動脈瘤頚部クリッピング術のどちらがより安全かを判断して治療方針を決定しています。
近年、脳神経外科と脳神経内科が協力して脳血管内手術を行うようになってきました。
超急性期の脳梗塞の患者さんに対する経皮的脳血栓回収術や、選択的脳血栓・塞栓溶解術も行っています。脳梗塞の原因となる頸動脈狭窄症の患者さんに対しては経皮的頸動脈ステント留置術を行います。当院には脳血管内手術を専門とする医師が多く在籍しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
【項目の説明】
上記4つの疾患は医療費が非常に高くなるもので、このような診断がどのくらいいるかを調べたものです。

【この項目に関する当院の特徴】
ここで取り上げた4つの項目は、重症感染症や脳神経外科手術後の合併症としてみられるものですが、当院では合併症の予防に積極的に取り組んでいるため、かなり抑制することができました。
更新履歴
2022/9/28
病院情報の公開ページを新規掲載