公益財団法人脳血管研究所は、美原記念病院の脳卒中を主とした神経疾患の専門病院を通じ、患者の皆様の診断、治療で社会貢献します。

0270-24-3355
〒372-0006 群馬県伊勢崎市太田町366
  • 外来受付時間 月~金 AM8:30~AM11:00
  • 休診日 土・日・祝日 夏季1日・年末年始

主な診療科・常勤医紹介

脳神経内科

脳神経内科は脳、脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。体を動かしたり、感じたりすることや、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときにこれらの部位の病気を疑います。
症状としてはしびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、けいれん、むせる、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、頭痛、体が勝手に動く、ものわすれ、意識障害などがあります。
まず、全身をみることができる神経内科でどこの病気であるかを見極めることが大切です。その上で必要に応じて脳神経外科、循環器科、整形外科、精神神経科、眼科、耳鼻科などへ診察をお願いする場合があります。
よく脳神経内科はどんな科かわかりにくいといわれます。科の名称がまぎらわしいためと思いますが、特に間違えられやすいのが精神科、神経科、精神神経科、心療内科です。これらの科は、おもに気分の変化(うつ病など)、精神的な問題を扱う科です。
脳神経内科はこれらの科と異なり、「こころ」の問題からではなく、「からだ」としての脳、脊髄、神経、筋肉に起きる病気を扱います。
ただし、病気の中には認知症やてんかんなど脳神経内科と精神科でどちらでもみる必要のある病気もあります。

対象疾患

頭痛

頭痛は大きくわけて、脳卒中、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎など脳の病気の症状として出てくる頭痛と、他に病気が隠れているのではなく、頭痛を繰り返す(持続する)ことが問題である慢性頭痛に大別されます。
慢性頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などがあります。脳卒中など他に脳の病気が見つかればそちらの治療が通常優先されます。慢性頭痛と判断されれば頭痛のタイプを見分けて有効な薬を選択していきます。頭痛のタイプによっては、薬以外の方法が有効な場合もあります。

脳卒中

脳の血管がつまったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血、くも膜下出血)して、脳の機能がおかされる病気のことをいいます。具体的には急に手足が動かなくなってしまったり、感覚が麻痺してしまったりします。
また、言葉がうまく話せなくなることや、意識がなくなることもあります。高齢の方、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)の方は動脈硬化が進みやすく、脳卒中を起こしやすいので注意が必要です。
症状が出てから早い時期に治療を開始すると後遺症を少なくできる場合がありますので、このような状態になったときにはできるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。当院では、脳神経内科、脳神経外科、脳卒中科が協力して脳卒中の診療にあたります。

認知症

ものわすれが多くなったときに疑ってください。高齢でなくとも起こることがあります。認知症のタイプによってはいわゆる‘まだら認知症’という状態もあり、しっかりしているときもあれば、おかしなときもあるという認知症もあります。
ただ、年をとれば皆さん若いころに比べものわすれは多くなりますので、年齢を考えても少しものわすれが多いようなときに疑ってください。また、認知症の種類によっては進行を遅くする治療薬がありますので、受診して原因を調べることが重要です。

てんかん

手足をつっぱり、意識をなくし、口から泡をふくというけいれん発作が有名ですが、短時間ぼーっとしたり、意識がありながら手足が勝手に動くような発作もあります。脳波などの検査で診断できることがあり、治療薬があります。また、脳腫瘍や脳出血など、なにか脳に原因があって起こるてんかんもありますので、その原因を調べることが必要です。

パーキンソン病

中年以降の方に多く、なにもしていないのに手がふるえたり、歩くときに前屈みになって、歩幅が狭く、腕の振りがなくなり、顔の表情もかたくなるような病気です。効果のある薬がたくさんありますが、使いわけるには、専門的な知識が必要ですので、脳神経内科を受診してください。

神経難病

神経難病とは、脳や神経の病気の中で、はっきりした原因や治療法がないものをいいます。具体的には筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、脊髄小脳変性症(多系統萎縮症、脊髄小脳萎縮症など)、進行性核上性麻痺、多発性硬化症、重症筋無力症などがあります。
そのほかに筋ジストロフィーなど筋肉の病気も含めて対応しています。原因がわからないといっても途中まではわかっている病気や、根本的に治すことは難しいが、福祉がかかわることで少しでも生活しやすくすることができる場合があります。
また、この分野は徐々に新しい治療法も開発されていますので、お早目に脳神経内科を受診してください。また、当院では自宅で生活されている神経難病の患者さんに対してレスパイト・ケア目的の入院をお受けしています。
レスパイト入院では、患者さんのからだの機能の評価、リハビリテーション、利用されている医療、福祉サービスの見直しなどを必要に応じて行います。

レスパイト・ケア:介護者が一時的に介護から解放され、息抜でき、休息をとれるようにする支援のこと

医師紹介

院長 美原 盤

院長 美原 盤(ミハラ バン)

学歴
1986年 慶應義塾大学大学院医学研究科修了

所属学会
日本神経学会評議員(日本神経学会指導医)
日本脳卒中学会評議員(脳卒中学会専門医)
日本神経治療学会評議員
日本脳循環代謝学会評議員
日本臨床医療福祉協議会評議員

専門医・認定医
日本頭痛学会 頭痛専門医・指導医
日本内科学会 認定内科医
日本神経学会 神経内科専門医・指導医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医

古井 啓

部長 古井 啓(フルイ ケイ)

学歴
1983年 浜松医科大学医学部卒業

所属学会
日本神経学会
日本内科学会
日本神経治療学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会

専門医・認定医
日本内科学会 認定内科医
日本神経学会 神経内科専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
麻酔科標榜医

針谷 康夫

認知症疾患医療センター
センター長 針谷 康夫(ハリガヤ ヤスオ)

学歴
1981年 群馬大学医学部卒業

所属学会
日本神経学会
日本内科学会
日本老年医学会代議員
日本認知症学会
日本脳卒中学会
日本神経病理学会
日本人類遺伝学会
米国神経科学会

専門医・認定医
日本神経学会 神経内科専門医・指導医
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・内科指導医
日本老年医学会 老年科専門医
日本認知症学会 認知症専門医・指導医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医

冨保 和宏

パーキンソン病・運動障害センター
準備室 室長 冨保 和宏(トミヤス カズヒロ)

学歴
1987年 国立島根医科大学(現島根大学)医学部卒業
1991年 私立東邦大学医学部大学院卒業

所属学会
日本神経学会
日本内科学会
日本認知症学会
日本脳卒中学会
日本リハビリテーション医学会

専門医・認定医
日本神経学会 専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医
日本認知症学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医

髙橋 秀輔

髙橋 秀輔(タカハシ シュウスケ)

学歴
2015年 富山大学医学部卒業

所属学会
日本神経学会
日本内科学会

専門医・認定医
日本神経学会専攻医

脳神経外科

当院では、地域の患者さんの神経救急疾患に対応できるように、脳神経外科・脳神経内科医師、看護師、画像診断科、検査科の当直体制が整っています。
超急性期脳梗塞に対しては、血栓溶解薬投与だけでなく、脳血管内手術による血栓回収治療を行っています。開頭手術、脳血管内手術、も行っており、遠方の病院からの患者さんも治療にいらしています。
リハビリテーションスタッフが他院よりも多く、超急性期の段階からリハビリを行うことにより、平均在院日数の短縮を図っています。
また、当院は、日本脳神経外科学会の認定医研修教育機関、日本脳神経血管内治療学会研修施設、日本脳卒中学会専門医認定研修教育病院、慶應義塾大学病院初期臨床研修病院であり、学会専門医を目指す医師の教育も熱心に行っています。

治療内容

(1)開頭手術

当院では、患者さんにとって最善な治療の提供をめざし、ガイドラインに沿って、開頭手術、脳血管内治療、、保存的治療の選択を適切に判断しています。
開頭手術を選択した患者さんに対しては、日本脳神経外科学会指導医と専門医が治療を担当します。より安全で確実な手術をするために、MRI・CT・脳血管撮影の画像をフュージョンしたカラー3次元画像を3-D workstationで作成し、術前シミュレーションを行っています。

(2)脳血管内手術

脳血管内手術は、脚の付け根などの太い血管から脳内の血管まで管を入れ、コイルをつめたり、ステントで血管を広げたりする方法です。肉体的負担の少ない治療方法で、術後の痛みも少なく、入院期間も通常1週間程度ですみます。
脳血管内手術を選択した患者さんに対しては、日本脳神経血管内治療学会指導医と専門医が治療を担当します。
脳動脈瘤の患者さんに対しては、開頭クリッピング術かコイルをつめる脳血管内手術のどちらが安全で確実なのか、部位や形状、年齢などから検討し、治療選択をしています。フローダイバーター留置術も行っています。
頚動脈病変の患者さんに対しては、内膜剥離術かステントで血管を広げる脳血管内手術のどちらが安全で確実なのか、病変、年齢などから検討し、治療選択をしています。
超急性期脳梗塞に対しては、365日、治療医が待機し、迅速に脳血管内手術による血栓回収治療を行っています。

医師紹介

副院長 部長

副院長 脳神経外科 部長 赤路 和則(アカジ カズノリ)

学歴
1993年 慶應義塾大学医学部卒業

所属学会
日本脳神経外科学会
日本脳神経血管内治療学会
日本脳卒中の外科学会
日本脳卒中学会
日本脳低温療法学会
日本頚部脳血管治療学会
日本脳循環代謝学会
日本脳神経CI学会
日本環境感染学会
日本化学療法学会
日本神経内視鏡学会
日本頭痛学会

専門医・認定医
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 指導医
インフェクションコントロールドクター(ICD)
日本頭痛学会 頭痛専門医
日本脳卒中の外科学会 技術指導医
日本認知症学会 認知症専門医・指導医

吉田 啓佑

吉田 啓佑(ヨシダ ケイスケ)

学歴
2013年 慶應義塾大学医学部卒業

所属学会
日本脳神経外科学会
日本脳神経外科コングレス
日本脳卒中学会
日本脳神経血管内治療学会
日本脳卒中の外科学会
日本神経内視鏡学会
日本頭蓋底外科学会
日本聴神経腫瘍研究会

専門医・認定医
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 脳血管内治療専門医・指導医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医

脳卒中科

24時間365日 超急性期脳卒中の受け入れが可能

当院は、日本脳卒中学会より一次脳卒中センター(PSC)として認定されています。 一次脳卒中センターとは、地域の医療機関や救急隊の要請に対して、24時間365日脳卒中の患者さんを受け入れ、医師が搬送後すぐに診療を開始できる施設です。

一次脳卒中センターについて 詳しくはこちら

当院では脳卒中科、脳神経内科と脳神経外科の三科体制により、それぞれの役割の中で最良の治療を提供しています。また、救急隊や開業医の先生方とも連携を密にし、充実した治療体制を構築しています。

脳卒中を発症し、時間が経ってからからでは当然のことながら重症化リスクも高くなります。手足がしびれる、マヒするなど、いつもと違う変化が見られた場合は、発症時間を確認しすぐに救急車を呼んでください。

血管内治療を行う際に使用するアンギオ装置

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血栓溶解・血栓回収の一例

  • 血栓溶解 治療前治療前
  • 血栓溶解 治療後治療後

発症してから4.5時間以内であれば、血栓を溶かす薬剤(t-PA)を静脈に投与します。大きな血栓の場合は血管内治療で回収します。その他、外科的治療も行っております。

脳卒中の主な症状はこちら

日本脳卒中協会ホームページ

実績紹介

当院の治療実績

病 名 術 式 令和3年
(2021年)
令和4年
(2022年)
脳梗塞 t-PAによる脳血栓溶解療法

34

38

血栓回収療法

38

50

頚動脈内膜剥離術

4

3

頚動脈ステント留置術

10

22

脳内出血 開頭血腫除去術

18

22

定位的血腫除去術

0

0

神経内視鏡による血腫除去手術

0

1

クモ膜下出血 開頭クリッピング術

11

8

血管内治療

25

19

未破裂動脈瘤の開頭クリッピング術

8

6

未破裂動脈瘤の血管内治療

37

32

脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術

17

9

水頭症 シャント術

15

16

一次脳卒中センターについてはこちら

医師紹介

部長 木幡 一磨

部長 木幡 一磨(コワタ カズマ)

学歴
2003年 獨協医科大学医学部卒業

所属学会
日本脳神経外科学会
日本脳卒中学会
日本脳神経血管内治療学会
日本神経内視鏡学会
日本脳神経外科コングレス
日本脳卒中の外科学会

専門医・認定医
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 脳血管内治療専門医
日本神経内視鏡学会 技術認定医
臨床研修指導医

循環器内科

循環器内科は2011年4月に開設しました。脳神経専門病院における循環器内科であり、常勤医は1名です。
脳疾患も心臓疾患も血管の障害が関与する事が多くさまざまな面で共通点をもっています。例えばある疾患にかかりやすくなる危険因子というものがあります。 高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満といったものが代表ですが、こうした危険因子は脳疾患、心臓疾患に共通なものであり、その管理が両疾患の予防にとても重要になってきます。
当科では各学会で定められたガイドラインに則り、その至適目標値を達成するための治療を行っています。
脳卒中や心筋梗塞を起こさないための予防医療も大切にしています。

対象疾患、検査、治療内容

2011年に320列の多列CTを導入し、それまで平均2泊3日の入院が必要であった心臓の血管(冠動脈)の検査が、わずか30分ほどの外来検査で診断ができるようになりました。320列の多列CTでは患者さんの息止め時間も10秒程度ですみ、被爆量も少なく、画像も鮮明です。他の施設からの依頼も多く、患者さん、他施設の医師からも高い評価を得ています。
また2015年にスペクト装置が導入され心筋血流シンチ検査ができるようになりました。冠動脈CTが血管の性状を把握する目的であるのに対し、血流シンチは心臓に血液が十分行きわたっているかの評価(虚血の評価)に使われます。こちらも外来にお越しいただき1時間半ほどで終了します。
冠動脈に狭窄があっても虚血が証明されなければ基本的に内科治療が行われます。日本では不必要に血管を広げる処置が多く行われています。虚血の有無をきちんと把握することはとても重要であり、そういった意味でも心筋血流シンチは有益な検査法です。冠動脈に狭窄が見つかり中等度以上の虚血が証明された時は、血行再建術が必要になる場合があります。その場合は循環器専門病院とも連携がとれていますので、そちらの施設をご紹介します。
ほかに循環器疾患に不整脈と心不全があります。不整脈に関しては当院で診断、治療が可能ですが、ペースメーカーの植え込みやカテーテルアブレーション治療などが必要な場合は、同じく専門病院をご紹介します。
心不全に関しては当院で治療を行っています。紹介状がない場合も診察しますので、お気軽にご相談ください。

医師紹介

部長 江熊 広海

部長 江熊 広海(エグマ ヒロミ)

学歴
1983年 三重大学医学部卒業

所属学会
日本内科学会
日本循環器学会
日本心臓病学会
日本高血圧学会
日本心血管インターベンション治療学会

専門医・認定医
インフェクションコントロールドクター(ICD)

内科・リハビリテーション科

風邪、腹痛などの一般的な急性期疾患に加え、継続的な通院治療を要する慢性疾患(高血圧症や高脂血症、メタボリックシンドロームなど)にも対応します。

対象疾患、検査、治療内容

内科では全身の疾患を対象とし、診断と治療を行います。 初診の患者さんの中で、どの診療科を受診すればいいのか分からない、複数の診療科にまたがる疾患を抱えている方は、 まずは内科を受診してください。内科で初期診断と治療を行い、必要に応じ専門科へお繋ぎします。より高度な診断・ 治療が必要と判断される場合には、専門の医療機関をご紹介致します。また当院では高解像度のCT、MRIに加え、 最新の内視鏡システムを導入したため、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)が実施可能になりました。 胃腸の不具合を感じる方、がん検診についてもお気軽にご相談ください。

医師紹介

科長 樋口 清一

科長 樋口 清一(ヒグチ セイイチ)

学歴
1996年 旭川医科大学医学部卒業

所属学会
日本呼吸器学会
日本内科学会
日本アレルギー学会

専門医・認定医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医
インフェクションコントロールドクター(ICD)
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本アレルギー アレルギー専門医