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(1)深部脳刺激療法(Deep Brain Stimulation:DBS)
深部脳刺激療法(DBS)は、パーキンソン病の治療に用いられる先進的な手術法です。この治療では、脳内の特定の部位に微細な電極を埋め込み、胸に埋め込まれたバッテリーから電気信号を送ることで、異常な神経活動を抑制します。これにより、震えや筋肉のこわばり、動作の遅れなど、パーキンソン病の主な症状を緩和します。(2)持続経腸療法
持続経腸療法は、病気の症状を管理するための新しい治療法の一つです。持続経腸療法では、レボドパとカルビドパという薬を腸に直接送り込むことで、薬の効果を持続させることができます。 持続経腸療法では、まず腹部に小さな手術を行って胃にチューブを挿入します。このチューブを通して、薬が腸に直接送られます。これにより、薬が腸から持続的に吸収され、血中の薬の濃度が一定に保たれます。その結果、薬の効果が長時間続き、症状の変動が少なくなります。 持続経腸療法は、特に薬の効果が切れやすい患者さんや、薬の副作用が強い患者さんに適しています。治療中は、医師がポンプの設定を調整しながら、最適な薬の量を決定します。また、患者さんは自宅で治療を続けることができるため、生活の質の向上が期待できます。(3)持続皮下注療法
パーキンソン病は、脳内のドパミンの不足により運動機能が低下する病気です。持続皮下注療法(ヴィアレブ)は脳内のドパミンを補充する新しい治療法です。持続皮下注療法では、レボドパとカルビドパという薬を皮下に直接注入することで、薬の効果を持続させます。 持続皮下注療法では、専用のポンプを使用して24時間連続して薬を供給します。これにより、薬の効果が安定し、症状の変動が少なくなります。特に、薬の効果が切れやすい患者さんや、薬の副作用が強い患者さんに適しています。 治療の流れとしては、まず患者さんにポンプを装着し、皮下に針を刺して薬を注入します。ポンプは患者さんの活動に合わせて調整され、最適な薬の量を供給します。深部脳刺激療法や持続経腸療法とは異なり外科的手術を必要としません。自宅でポンプを使用し、定期的に医師の指導を受けながら治療を続けます。この方法により、患者さんの負担が軽減され、生活の質が向上することが期待されます。(4)当院におけるデバイス補助療法導入の流れ
長期にわたりデバイス補助療法を安心・安全にお使いいただくには、患者さんはもとより、患者さんを支えるご家族や支援者のみなさんが、治療法とその手技について正しくご理解いただくことが重要です。当センターでは、手技についての指導を患者さんとご家族はもとより、支援者(訪問看護ステーションスタッフ、デイサービススタッフ、就労先のスタッフ)にも実施しています。退院前には患者さんに関連する担当者が集まる退院前担当者カンファレンスにより、患者さんの状況と対応を共有し、退院後には訪問看護を実施します。当センターでは患者さんとご家族が安心・安全に治療を継続できる提供体制を整備しております。
パーキンソン病や運動障害疾患患者さんの運動機能や生活の質の維持・向上には診断早期からのリハビリテーションが重要です。当院では2011年に神経難病に特化したリハビリテーション部門として神経難病リハビリテーション課を設立し、外来リハビリテーションと短期集中リハビリ入院プログラムを通してあらゆる病期のパーキンソン病・運動障害疾患患者にリハビリテーションを提供しています。
診断早期の患者さんに対し通院によるリハビリテーションを行います。就労中の患者さんの両立支援の他、姿勢異常やすくみ足といった個別の問題に対するリハビリテーションを行っています。
1ヶ月間の入院による集中的なリハビリテーションを行うことで進行により低下した運動機能や日常生活活動能力の底上げを行うためのプログラムです。入院時に患者さん個々の症状に即したリハビリテーションを行うために、三次元歩行分析や脳形態画像評価など詳細な検査と評価を行い、個別のリハビリテーションプログラムを立案、実施いたします(詳細はこちらを参照ください)。
1日の2時間強のリハビリを週5〜6日間、4週間にわたって実施いたします。
退院後に通院可能な患者さんは、外来リハビリテーションにて、短期集中リハビリ入院の効果が在宅生活で発揮できているかを確認していきます。経過を確認しながら、再入院の時期や在宅で行えるリハビリテーションの検討をしていきます。